22 ottobre, 2006

2輪

2輪レースの最高峰motoGPも好きなんです。
こちらでは自転車好きで今まで書いてきましたが、
自転車ロードは先日のジロ・ディ・ロンバルディアで
今シーズンのビッグレースは終了です。
本日ジャパンカップが開催され、
リカルド・リッコ(イタリア、サウニエルデュバル)
が優勝しています。

僕は2輪ではmotoGPも好きでもう、何年も中継を観ています。
世間ではあまり知られていませんが、
このmotoGPは世界を舞台に日本人ライダーがガチで勝負できる
数少ないスポーツなのです。
1960年代あたりからホンダ、ヤマハをはじめ、カワサキ、スズキ
などのメーカーが参戦し、1970年代には日本人選手が初タイトル。
1990年代にはあの原田哲也が暴れまくっています。
そしてそして、僕はメチャ好きな日本人ライダーがいました。
過去形です。
加藤大治郎選手です。
速いというか、知らぬ間にトップに立ち、
ゴールは最初みたいな感じでした。
強かったです。
しかし、その強さに似つかわしくないような風貌で、
言い方は悪いですが、ボーっとしているような、何を考えているのか
分からないような感じで、レース直前まで平気で寝ていそうな選手でした。
しかし、いざスタートするとその強さは相変わらずで、
2001年には旧カテゴリ250ccクラスで世界チャンピオンになっています。
2002年に最高峰カテゴリの500ccクラス(現motoGPクラス)に
ステップアップし、2ストロークバイクながら翌年の活躍を期待させる
に十分なレースをしました。
そして、オフシーズンに4ストロークのモンスターマシン
ホンダRV211Vで度重なるテストを行い2003年のシーズンに入りました。
第1戦運命の鈴鹿です。
3周目にシケイン入り口で原因不明の事故でスポンジバリアに激突、
意識を失いそのまま帰らぬ人となりました。

僕は、このレースを深夜の放送で観ていましたが、
鈴鹿のコースをご存知の方なら分かると思いますが、
130Rを我々素人では考えられないようなスピード、
時速300㎞近くで駆け抜け、最終のシケインの手前で
各選手ギリギリでブレーキングをし、
シケインに切れ込んでいくのですが、このときにラインが重なったり、
クロスしたりして非常に危険です。
加藤大治郎はプロのレーサーで、ホンダのエースの一人です。
鈴鹿といえばホンダのホームコースで、加藤大治郎はここでも
数多くの勝利を挙げています。
だから、この最終のシケインについても良く知っているはずなのに・・・。

鈴鹿サーキットはこの最終コーナーを'03シーズン前に改修していました。
この改修が危険であるとの指摘もあったそうです。
この加藤大治郎の事故後、調査委員会を設け報告書まで上がっていますが、
車両やコースに問題は無く、明確にライダーのミスとも書いておらず、
不可抗力による悲しい事故とあり、
最後に保護体の充実と安全装備の開発を提案していました。
誰かと接触したのではないか?とか妙な犯人探しをするのも、
いかがなものかと思うので、これが結論なのだろうと思うしかないです。
しかも、このような時速300㎞を越すようなスピードで争われる
レースにおいて事故は避けられるものではなく、
ライダーもそれを承知で命を張って勝負しています。

彼は1976年生まれで一つ年下なのですが同世代です。
同世代の日本人が世界を相手に互角以上に戦っている姿を、
羨ましく、また誇らしく思いながら観戦していました。
彼が勝ったレースの翌日は月曜日で、サラリーマンの僕は、
忙しい一週間の始まりで、眠い目をこすりながら出勤するわけですが、
加藤大治郎の勝利を通勤途中改めて喜んだりして、
「俺も頑張ろう。」
なんて、良く分からない“こっぱずかしい”ことを思ったりもしました。
そして、この加藤大治郎なら絶対に王者ヴァレンティーノ・ロッシ
(イタリア)の連覇を阻むと思いシーズンを楽しみにしていました。
その矢先の事故だったのです。
その後、メディアでも様子が報じられましたが、尻すぼみになって、
訃報が報じられました。

'03シーズンはその後、グレシーニでの加藤大治郎のチームメイト
であるセテ・ジベルナウ(スペイン)が加藤大治郎の魂が乗り移った
かの如きレースを続け最後の最後までロッシを追撃し、
結果及びませんでしたが、総合2位でシーズンを終えました。
しかも、加藤大治郎の事故後の第2戦南アフリカGPで、
なんとそのセテ・ジベルナウが優勝したのです。
そして、表彰台で天へ指差し、天国の大治郎へ勝利を捧げた
シーンをテレビで観て、僕は溢れ出る涙を止めることができませんでした。

現在、motoGPは10月29日のシーズン最終戦を残すのみとなっていますが、
暫定ランキングトップはヴァレンティーノ・ロッシでそれを8ポイント差
でニッキー・ヘイデン(アメリカ)が追いかけています。
加藤大治郎がいたら絶対からんでいたよなァ・・・と、
返す返すも残念でなりません。
加藤大治郎のいないmotoGPは寂しいですが、
これからも日本人ライダーを中心にmotoGPも応援していきたいです。

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