07 agosto, 2012

CV22とMV22(2)

日ごろ、一ケタの閲覧数しかない僕のブログに、
僕には心当たりの無い方からコメントをいただきました。

直接コメント欄で回答しようと思ったのですが、長くなったので、
今エントリで書きます。

オスプレイについての僕の前エントリ

このエントリに対して、
ロゴスさんよりコメントをいただきました。
ロゴスさんのコメントは以下です。
ロゴスさんが、このコメントにつき著作権を主張される場合や、
エントリ内で掲載されることにつき都合が悪いとお考えでしたら
その旨お知らせください。
確認次第、下記コメント(“以下””以上”で挟んだ部分)につき削除します。

ロゴスさんのコメントは以下、

数字の罠にだまされないで下さい。
CV22とMV22と言う名前の違い、そして、
事故率という非常に分かりにくい表現。
1,93と言う低い数字に安心したくなりますね。
しかし、2種類の機体の違いは設計上一割程度。
しかもそれは装備にかかる部分であり、エンジンや構造は基本的に同じです。
両方を合わせて考えても良いくらいに思います。
ちなみにMV22の墜落率は全160機中の8機墜落で5%となっています。
また、機体の問題性だけではありません。それを操縦するパイロットの要請は
不十分であり、その練習のために日本を使いたいのがアメリカ側の意図です。
本国では各州から了解を得られなかったからです。
そして、もう1つ。もし墜落した時のことですが、
オスプレイは墜落速度が60キロと平均的なヘリの10倍ほどです。
更に、パイロットを守るために機体の破片を外側に飛ばすしくみになっており、
あの大きさで市街地に落ちると、想像するだけで恐ろしい被害になります。
これまでの情報を元にご判断ください。

以上がロゴスさんからのコメント(改行はひであきにて)です。

コメントありがとうございます。

では、それに対する僕の考えです。

前段の「数字の罠」、「名前の違い」、「事故率という表現」についてですが、

産経新聞によると、
10万飛行時間あたりの(事故の件数)事故の件数ですから、
特殊作戦用のCV22が13.47
輸送用のMV22が1.93
です。

まず、この数字に対してロゴスさんは罠があると
さすがにコメント欄でどういう罠があるとまでは書けないと思うのですが、
例えば、オイル漏れや軽微な整備不良までも含めて事故とすると率は上がります、
それはオスプレイ配備推進派にとっては都合が悪くなるので、含まずに計算すると思いますが、
この統計の「事故」に該当する事例は「Class A」の事故
(総額200万ドル以上の被害もしくは死亡)
を指すそうです。
要するに大事故ですね。

これを踏まえて、現在沖縄に配備されている航空機の事故率を見ると、

CH-46 1.11
CH-53E 2.35
CH-53D 4.51
AV8-B 6.76
海兵隊平均 2.45

となります。
日本に配備されるMV22は現役機の中でも上から2番目に安全で、しかも海兵隊機の
平均値よりも低い事故率であるということが分かります。
因みに上の現役機の事故率の数値は沖縄タイムスでの報道によります。

続いて、名前の違いですが、オスプレイには3種類あるらしく
(前のエントリでは2種類と書きました。間違いでしたすみません。)
、CV22、MV22、HV22と
あるそうです。
CVは海軍配備特殊作戦用、MVは海兵隊配備輸送用、HV22は海軍配備救難用だそうです。

で、日本に配備されるのは、今のところMVの海兵隊の運搬機ということなので、
事故率は低いものになります。
ですので、「名前の違い」で騙されるなといわれてもその真意は分かりかねます。

この3種の事故率を別々に計算することが間違いであるとおっしゃるのには、
賛同できません。

なぜなら、MV22は運搬機であり、CV22とMV22は特殊作戦用のものなのです。
ですから、後者の2種については、通常の運行とは違う、期待の能力の限界までを
使って使用されることが想定される場面が多くなりますので、場合によっては、
無理な動きを伴い、それだけ危険が増すのですから、当然事故は運搬用よりも高くなります。
また、MVとCVでは機体の1割が違う程度でその他は同じ、ではその1割は何かと言えば、
装備であると、その装備が違うだけでCVはMVの7倍も事故率が上がるというのですから、
運行状況以前に、その装備品が事故の要因となっているとも考えられます。
であるのならば、運搬利用のMV22を拒否する理由にはならないでしょう。

「事故率という表現」が分かり難いとおっしゃいますが、
「10万時間運行あたりの事故の件数」
以外に適当な表現があれば、是非教えていただきたいです。

もっとも、MVにせよ、CVにせよ、HVにせよ軍事機ですから、
通常運行よりも、特殊な環境での運行が主になるでしょうから、
10万時間運行あたりの事故の件数を議論することに意味があるか否かと言われれば、
僕は無いでしょうと答えることになります。
ただし、特殊作戦、もっと言えば戦闘行為や、危険な場所、すなわち戦地での運搬を
想定した軍用機なのですから、安全だから配備するとか、安全でないから拒否するとか、
そういう話ですらないでしょう、と思います。

>ちなみにMV22の墜落率は全160機中の8機墜落で5%となっています。
とロゴスさんは書いておられますが、いつ事故が起きたのかが重要でしょう。
その8機が量産決定の2006年に立て続けに事故を起こしたのか、毎年1機のペースで
事故が起きたのか、両者は全然違うと思います。

中段にある、「米軍の意図」については、どちらで入手された情報かは知りませんが、
僕は初耳です。
米軍が、アメリカでは訓練を許されていないから日本でパイロットを訓練させる
と書かれていますが、2008年にオバマが搭乗し、その後米国要人も多数登場し、
その他、米国内での訓練実績はあります。
(2009年にノースカロライナで訓練中に燃料切れによる事故が発生している)
ですから、米国では危なくて訓練できる州が無いから日本国内で訓練させる
というのは、失礼ながらロゴスさんの認識の誤りではないかと思われます。
もっと言えば、そこまで危ないものを米国が自国の軍人に登場させるはずがない
と思います。

後段については、墜落すれば旅客機であれ、セスナであれ、軍用機であれ、
それが市街地であれば大事故になるのは当たり前です。

旅客機だから安全に墜落できて、オスプレイだから期待を巻き散らかして、
日本国民をできるだけ多く殺傷しながら墜落するというものではないのです。

旅客機の事故率は何パーセントでしょうか?
ゼロではないんですよ。

100万回飛んで0,1回の事故に遭うかもしれない旅客機と、10万時間の運行時間で
1.93回事故を起こすかもしれない軍用機を同列に扱うことはできませんが、
521名の死者を出したからと言って、旅客機は危険だとJALは会社を解散することなく、
今も旅客機は空を飛んでいます。
これは利便性を追求するがために我々が引き受けるリスクでしょう。

同様に支那、朝鮮、ロシアなど極東で日本を脅かす国家が存在する以上、
何かしらの防御を取ることが必要となります。

もし、日本が大東亜戦争後、しかるべき時期に国軍を復活させ、国防もさることながら
極東の安定を担う国家となっていれば、それを米軍に依頼することもなく、
独自に武器や軍用機を開発し、現在、オスプレイとは全く違う作戦機や運搬機を保有し、
日本各地に配備していたかもしれません。

しかし、日本は経済発展と引き換えにそれを米軍に丸投げしてしまいました。
このことを今更どうこう言っても始まりません。

日本は、国防の多くををアメリカに依存してしまっているんです。
であるのならば、要求はとにかくすればいい。言いたいことは言えばいいと思います。
しかし、全て向こうが飲むなってことはありえないと思います。

現役のCHヘリなどは、そろそろ退役を考えなければいけないそうです。
要するに、それだけで事故率はグンと上がるわけです。
当然、その代替としてオスプレイは配備されるわけですよ。

バスタブ曲線理論でいうのならば、これから事故率が間違いなく上がる
機体を退役させ、新しいもの-事故率は当初は高いが、いずれ低くなる(はずの)機体
を投入させるわけです。

日本に代わって国防を担う連中が、そうすると言うておるのに、
「ちょっと待ってくれ、それは危ないからやめてくれ。」
なんて言えますか?

前エントリにも書いていますが、日本に米軍を追い出して、国防と極東の安定を
担う覚悟があるのなら、
「オスプレイなんぞいらん。日本で攻撃機も運搬機も開発して、配備する。
支那の南下は日本が責任を持って阻止する。
あいつらを絶対に太平洋へは出させん。」
と、日本の首相が言うのであれば、
僕はエエと思うんですけれども、
残念ながら、当面はそうなりそうもありませんからね。

これだけ書いておいて、最後にぶちまけると、

オスプレイの事故率なんて、どうでもエエんです。
日本が本当の軍隊を持たない以上、アメリカの言いなりにならざるを得ないのは、
仕方が無いじゃないですか。

が僕の答えです。

この裏には、もちろん日本に早く本当の軍隊が発足すればいいのに、
という期待があります。

ロゴスさん、コメントありがとうございました。
色々考える機会が増えて、勉強になり、とても嬉しいです。
以上が、僕のレスポンスです。

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