04 novembre, 2011

ひとつの時代の終わり

昨日は文化の日。
ウチの高校のOBの吹奏楽団が、神戸市吹奏楽祭に
出演するとのことで、聴きに行って来ました・・・ではなく、
手伝いに行って来ました。


僕は、元々吹奏楽が好きだったわけではなく、
太鼓に触りたくて吹奏楽部に入りまして、
機嫌良く演奏しているうちにあっという間に卒業、
その後も縁あって市民楽団で4年程演奏活動をして、
社会人になって多忙になったこともあり、離れています。
その間に“高校のOBの楽団をつくるために”
平成12年に高校のOB会を立ち上げて・・・
ウチの高校は若い高校で、僕で6回生
4年ほど前にやっと吹奏楽団をつくることができました。
当初はレギュラーメンバーが10人そこそこで、
練習もままならず、とは言え演奏会がなければ
団員のモチベーションも維持できないということで、
高校の顧問の先生にお願いして、高校の吹奏楽部の定期演奏会で
OBの演奏コーナーを設けてもらって、2,3曲を演奏させてもらい、
そこにレギュラーメンバー以外のOBも参加できるようにして、
その子達を勧誘してレギュラーメンバーにして、
その間に神戸市の吹奏楽連盟に登録して、
春、秋の神戸市吹奏楽祭に出演できる権利を得て、
自分たちの定期演奏会を開催して、
地域の住宅にチラシをポスティングしてお客さんに来てもらって、
などなど、最近は僕はもう見てるだけ、相談役みたいに
完全に運営そのものにはタッチせず、
若い(僕よりも10歳前後年下の)連中にあれこれさせて、
立ち行かなくなりそうになったら飲みに誘って、
ああせい、こうせいと強攻策など伝授して、
「責任は俺が取る。からやりたいようにやれ。」
とか、できもしない約束を連中として今日までなんとか維持してきました。

昨日の演奏会は、総勢35人いましたかね?
残念ながら全員がOBというわけにはまいりませんでしたが、
それでも9割以上はOBで、構成された面子で、
レギュラーメンバーの比率も高く、
一応“自前の楽団です”と言えるくらいにはなっていました。
そして、昨日出演してくれたレギュラーメンバーではないOBの中にも、
続けてやりたいというOBもいてくれて、
しっかり勧誘しておきました。
うちのパートの後輩には、
「先輩、また勧誘してる。」
と笑われてしまいましたが、もう僕の仕事はこれだけなんですよ。
僕が仕切らなくても26歳の身長184cmの男前が
スケジュール表をつくって引っ張ってくれるし、
音楽的には僕より一回り以上年下の連中がまとめてくれるし、
もちろん高校はOBの演奏活動にも好意的に援助してくださる。
(昨日は顧問の先生が現役の本番が終わってもOBの本番終わり
まで残ってくれてOBが学校から借りた楽器を引き上げてくださいました。)

日本中に中学・高校・大学のOBの吹奏楽団は数ありますが、
どの団体もメンバー集めに苦労しているようです。
とりわけ神戸市内では、有名な兵庫高校さん(100年以上の歴史)が
成功されている以外は、どの学校も単発的な演奏会に留まっており、
1年を通じて活動している高校は無いといっても良いでしょう。

僕は自前のOBだけで1年を通じて活動できる吹奏楽団を設立したい
というそれだけにこだわりわがままを言いながら約10年OB会をやってきました。
後輩と言い合いの喧嘩もしましたし、先輩に文句も言いました。
しかし、そんな連中全員辞めることもなく、昨日の本番を無事終えました。

僕は昨日の本番については特にこれといった感慨を抱くことなく迎えましたが、
本番が終わって楽器を片付けている間に自分の役目が本当に終わったと感じました。
僕はこれまでの10年の間に一度“(OB会会長を)辞める・辞める詐欺”
をしているのですが、いよいよ本当にOB会会長を辞めることができる日を
そう遠くない日に迎えられそうです。

昨日の本番終わりに、ある後輩(こいつも僕の9歳年下)に
「先輩、今日の演奏どうでした?」
と聞かれました。
僕は、
「楽器ケースの見張り番をしてたからモニターからしか聴いてないねんけど、
 良かったで。」
と答えました。
「そうですか、良かったです!」
と嬉しそうに答えていました。

ある後輩(こいつは僕の10歳年下)に、
「今日の演奏どうやった?」
と尋ねました。
「今までの演奏(この曲についての)の中で一番良かったです。」
と彼は答えました。
彼は既に社会人ですので、練習量は学生の時よりも絶対少ないはずなのに、
一番良かったと答えました。
やはり質が違うんだと思うんですが、これもより楽しんで演奏できている証拠だと思います。

こういったやり取りをみると、こいつらに任せても良いとより強く思いました。

昨日僕は、簡単な雑用と勧誘wだけをするに留まり、
後輩達をずっと見ているだけでした。
自前のOB吹奏楽団を設立するという僕の10年をかけたミッションは終了です。

しかし、彼らを見ていると僕も久しぶりに楽器をやりたくなってきました。
色々落ち着いたら僕もOB吹奏楽団に混ぜてもらおうと思います。

そうなんですよ。
今の僕みたいに久しぶりに楽器をやりたいなと思ったときに、
気負わずに入れる楽団をつくるために今まで頑張ってきたんですよ。

これからも多くの卒業生に参加してもらえると思います。
精力的に活動してくれると思います。
良かった。

というわけで、来春会長辞任です。
う~ん、目出度い!!

Nessun commento: