22 febbraio, 2011

TPP断固反対!(2b/2)

で、東谷暁氏の話は続きます。

大きな誤解のふたつ目

TPP賛成派の主張としては、
「関税がなくなれば輸出は増える。
韓国はFTA(自由貿易協定)で世界シェアを伸ばしている。」

 韓国が“FTAで”世界シェアを伸ばしているというのが
誤解ということです。

 韓国が輸出を伸ばしたのは、リーマン・ショックの際に韓国の通貨ウォンが、
2分の1に大暴落したからだと言います。
 韓国の通貨危機は幾度となくありました。
1997年のアジア通貨危機、このときに1ドル1,678ウォンにまで落としています。
2007年のアメリカサブプライムローンを発端とする韓国通貨危機、
この影響をリーマンショックも相まって今も引きずっていると思うのですが、
この韓国通貨危機でも1ドル1,500ウォンまで落としています。
(平成23年2月22日15時45分現在1,127ウォン)

 2分の1に下落というのは、ちょっとチャートを探したのですが、
ドル・ウォンチャートは毎日乱高下しているように見えるので、
言い難いのですが1ドル1,000ウォンを切ることもあるようなので、
確かに今現在のレートでもウォン安気味だと思います。

で、ウォンの下落と世界シェアを伸ばしていることの関連性ですが、

 当然ドル決済であることを前提として。
 例えば1ドル1,000ウォンの時に缶ジュース1本を1ドルでアメリカから
韓国に輸出したとすると、韓国は1,000ウォンの売り上げがでます。
 ところが、ウォン安になり、1ドル1,500ウォンになると、
今まで1本1,000ウォンで輸出していた“同じ”缶ジュースで1,500ウォンの売り上げ
を出すことができるわけです。
 韓国は自国の通貨が弱いことを利用してに輸出を伸ばしてきたというのは
このことです。

 それを日本の経済界は韓国はFTAを推進しているから利益を上げているのだ
と誤解しているわけです。

 日本は固定相場時代の1ドル360円から自国の経済力を高めて、変動相場制に
移行して現在1ドル83円にまでなっているのです。
 経済界では1ドル90円くらいまでが輸出で対応できる限界だということですから、
現在日本は言ってしまえば赤字を垂れ流しながら輸出しているような状況なわけです。

 そんな状況ですから、これでTPPに参加して例えば自動車で2.5%の関税、
テレビの5%の関税が無くなったとしても日本の輸出がまぁ夢のように拡大するとは
ならないわけですね。
 そんなことよりも為替が重要であるということです。

 ですから、良く言われる
「バスに乗り遅れるな。」論は、完全に誤りです。

どうも日本人は「乗り遅れる」という言葉に弱いようですが、
東谷氏は

そのバスは日本が乗車しなければ発車しない

と明確におっしゃっています。
理由はこれまで書いた通りですね。
この協定はアメリカにとって日本が参加しなければ全く意味の無いものなのです。
他国にとっては有益なこともあるかもしれませんが、
日本のことを考えれば早急に「参加します!」と結論を出せる問題ではないということです。
  結論として、


・日本政府はTPP問題の本質を隠すために農業をスケープゴートにしている。
・アメリカは「金融」などのサービスと「投資」そして「農地」と「農業法人」を狙っている。
・TPPに参加しても輸出は伸びず、むしろデフレを悪化させる。


ということでした。


 僕も性急にTPPだけを考えるのではなく、
現在は個別に2国間などでFTAを積み重ねていけば良いと思いました。
そして、多国間でのFTAを考えるのならば、日本が主導権を握ってルールを決める側に必ず
立つことを前提に取り組むべきだと思います。


 ただ、やはり世界は毎日変わっています。
 貿易についても日本は弱い立場ではないんだと
日本には世界に誇ることのできる素晴らしい商品が山のように存在すると
強い意志を持って勝ちに行って欲しいと思います。
 そして、農業も今のままではダメでしょうね。
 急に
「お前等多国間で競争しろ!」
と言っても無理がありますが、今でも海外からの農産物の輸入は既にありますし、
日本には美味しいお米もあれば野菜・果物もあります。
海外に輸出するほど量が有るわけではありませんが、
特別良い果物などは既に輸出されています。
とにかく自力をつけなければなりませんね。
保護ばかりしていてはいつまでも変わりませんからね。

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