03 aprile, 2007

追憶

その日はせっかく満開に咲き乱れる桜の花びらを
散らすほど強い春風の吹く日でした。

僕と彼女はその日にあわせて両親が買ってくれた
洋服を着て校門に立て掛けている「入学式」の
看板の前で仲良く二人並んで
ちょっと寒そうに、照れくさそうに
お互いの両親が覗くファインダーにおさまったのです。

それから十数年後彼女が白血病と戦っていることを
母から聞きました。
壮絶な闘病の末、彼女は亡くなりました。

昨日、兵庫県各地の花見の案内の広告を見ました。
今年も彼女のことを思い出したのです。
家に帰って、二人で並んで撮ってもらった
小学校入学式の写真を引っ張り出してじっと見ました。

もしかしたら、これが僕の初恋じゃなかったんだろうか?

小学一年生なんてガキですもん、ハナタレ小僧がクソ生意気に
愛だの恋だの言いますか?
学校が終わって一緒に遊んでただけですよ。
そのうち学年も上がってクラスも違って、
僕は引越しして、別の子のことが気になって・・・

近すぎるとその存在の大事さとか忘れがちになるんですよね。
しかもガキですから、なおさらです。
当時の日々を全て覚えているわけではありません。
もしかしたら、ガキなりに何か意識していたかもしれません。

今更ながら思えば、やはりなのではないかと思います。
なにしろ、いい女ですからね。
笑顔が最高に可愛いんですよ。
そうそう、かけっこも早いんですよ。
僕なんて置いてけぼりくらうんです。
キャッキャ笑いながら逃げて行くんですよ。

今で言うならそうですね。
気立ての良い沢尻エリカですね。
小顔の美人です。

これって初恋ですか?
でもね、桜の季節になると思い出すんです
彼女のことを・・・

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