11 ottobre, 2012

戦後レジームからの脱却【5】~憲法改正~そしてまとめ

*前回のエントリのタイトルのナンバリングを間違えてしまいました。
正しくは【4】で、本エントリは【5】となります。
お詫びして訂正します。

 さて、戦後レジームからの脱却の三本柱のうちの最後にして最重要の課題、
「憲法改正」です。

 すごくタイミングが良かったのですが、先日10月7日の「たかじんのそこまで言って委員会」
に安倍晋三氏が来られていて、パネラー諸氏とやりとりをされていたのですが、
その中で当然憲法についての話もあったのですが、その中で憲法改正をしなければならない
理由として、

1.今の憲法は当時のGHQ進駐軍の手によって作られたものである
2.現行憲法ができて60年以上が経過し時代にそぐわないものになってきている
3.自分たちの憲法は、自分たちの手で書いていく。
  それによって真の独立を勝ち取ることができるということ。

以上3点を述べられていました。
これは以前よりおっしゃっていることであり、改憲(創憲)派の多くの方々が共有する考えです。
また、世論調査でも朝日・毎日・産経何れの調査でも過半数の回答が憲法改正すべきとのこと
はこの春の憲法記念日前後の世論調査を見ても伺えます。

 余談ですが、自民党参議院議員の西田昌司氏は創憲の立場で、現行憲法は米国によって
作られた、いわば無効な憲法であるのだから、現行憲法は破棄し、新憲法をつくるべきである
と述べられております。
他にも平沼赳夫氏や石原慎太郎氏など現行憲法を破棄し、
自主憲法を制定すべきという論者はおり、恐らく、これは僕の勝手な想像ですが、
安倍氏も心の底では、そのように思われているのかもしれないと、勝手に想像しています。
 しかし、戦後より今に至るまで現行憲法の下で我々は全ての法律を制定し、
また施行・運用してきたのは事実であり、心情的には理解できるけれども、
現行憲法を破棄するということに拘るのは、本当に難しく、ともすれば本来の目的である現代の
日本にふさわしい憲法の制定(改正)にすら手が届かなくなる恐れがあると思います。
 また、現行憲法を否定することは、彼らが国会議員であることそのものも否定することに
なりかねないという妙な矛盾も抱えることとなります。
 ですから、現実的な対応としては、現行憲法にある通りの手順で改正を行うのがベターであると
思います。

 ということで、安倍晋三氏は安倍政権時代に
日本国憲法の改正手続に関する法律(国民投票法)を法制化し、憲法改正に着手しています。
 日本テレビでテリー伊藤とかいうコメンテーターが
「安倍氏は病気で総理を辞めたんじゃない、在任中何も成果を出せなかったから辞めた。」
といった主旨のことを発言されたようですが、
これは完全な誤りです。

 憲法では改正についての条文がありました。

日本国憲法 
【第96条】

 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

 しかし、憲法に定めがあっても「国民に提案してその承認を経なければならない」の部分の法律
の規定がありませんでした。
 安倍氏は本気で憲法を改正すべきと予てより考えておられたので、これを法制化したのです。
 
 では、安倍氏は憲法をどう変えようとしているのでしょうか?

 これについては、自民党の日本国憲法改正草案を自民党のホームページで見ることが
できるので、こちらをご参照いただければ良いと思います。

自由民主党 日本国憲法改正草案

安倍氏はこの党内の憲法改正本部に最高顧問として名を連ねておられるので、
安倍氏の考えはこの中にあると解して良いでしょう。

では、この改正草案の中での注目点を見ていきます。

【前文】
  憲法の3原則を踏まえつつ、国家・歴史・伝統にも焦点を当て、日本国の憲法であることが良く
 理解できる内容であると思います。

【第1条】
  現行憲法で天皇陛下は象徴という曖昧な存在でありましたが、この草案では、
  日本国の元首であることを明確にしています。

【第3条】
  日本国の国旗は日の丸で、国歌は君が代であることを明確にしています。
  また、同条2項において日本国民は国旗及び国歌を尊重しなければならないとしています。
  憲法は基本的に国家権力を縛るものであると理解していますが、この項目で、
 国民に対しての義務を課しています。
 
【第9条】
積極的に戦争をしかけていくということを完全に否定しています。
ただし、同条2項において、「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。」
として、自衛のための戦争までも否定をするものではないとしています。
これは、当然集団的自衛権をも含む内容であると考えられます。

【第9条の2】
  国防軍の設置を明文化しています。
  現行憲法においては「陸海空軍を保持しない、国の交戦権はこれを認めない。」
 と自衛戦争までも否定する内容でしたが、この草案では国防のための任務を明確化し、
  また、災害派遣や国際平和維持活動をも念頭に置いた内容となっています。
 更に、世界的に常識となっている軍法会議(軍事法廷)の設置も明文化されています。

【第9条の3】
  国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、
 その資源を確保しなければならない。

  上記は条文をそのまま記載しました。
  読んでいただいたとおり理解いただけると思います。

【第10条】
  日本国民の要件は、法律で定める。

  外国人参政権や人権救済法案など、国家(とりわけ民主党政権において顕著)が
 日本国民の権利を侵害したり、不安定にさせたりする状況が多くなっています。
  国民の権利をしっかり守っていただけるよう願うところです。

【第15条】
  公務員を選定し、及び罷免することは、主権の存する国民の権利である。

  3 公務員の選定を選挙により行う場合は、日本国籍を有する成年者による
  普通選挙の方法による。

  僕は、この第15条で明確に外国人参政権を否定していると確信します。

【第20条】
  3 国及び地方自治体その他の公共団体は、特定の宗教のための教育その他の
  宗教的活動をしてはならない。ただし、社会的儀礼または習俗的行為の範囲を超
  えないものについては、この限りでない。

 この第20条は首相・閣僚の靖国神社参拝を念頭に設けられたものと解します。
 将来的な天皇陛下の御親拝をも見据えてのものかもしれません。

【第21条】
  2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を
   行い、並びにそれを目的として結社することは、認められない。

   恐らく極左団体革マルや中核派、極左労組関係や
  共産主義革命系の団体のことを指すのかと個人的に思っています。

【第100条】
   この憲法の改正は、衆議院又は参議院の議員の発議により、両議院のそれぞれの
  総議員の過半数の賛成で国会が議決し、法律の定めるところにより行われる国民の
  投票において有効投票の過半数の賛成を必要とする。

   この第100条が自民党草案の肝と言えます。
   両議院のそれぞれ総議員の過半数としたところで、ひとつハードルを下げ、
  国民投票の「有効投票の」過半数としたところで、更に下げています。
   これで戦後今まで改正されずにきた憲法が改正されやすくなります。
 

  この自民党の憲法改正草案を見れば、安倍氏の政策や信条と重なる部分が多いです。
 安倍氏はこれまでずっと憲法改正を唱えてこられましたし、首相時代には現に変えるため
 の手続を整備されました。
 この事実を見ただけでも安倍氏が戦後レジーム(体制)の脱却を本気で考え、
 実践してこられました。
 安倍政権が何も実績を残していないとか、「戦後レジームの脱却」をあざ笑う評論家の頭
 の中が如何におかしいかが、良く分かるでしょう。
 価値観外交、教育の再生、憲法改正の3本柱を軸に安倍氏の考える政策の実行を行えば、
 停滞に停滞しきっている今の日本の政治は間違いなく変わります。
 そして、我々国民もそれをただ座して見るだけでなく、これまでの日本を変える主体となって、
 ある時は政治を注視し、ある時は実践するなど青山繁晴氏のおっしゃるところの
 「この国の主人公」とならなければなりません。

  安倍総裁誕生当初よりマスコミの不見識な安倍批判が続いております。
 ツイッターでも呼びかけましたが、

 どうか賢明なる国民の皆様におかれましては、このような不見識・非常識なマスコミの
 あやまった報道に騙されることなく、事実のみを見、時には自ら情報を取りにいくなどし、
 日本国が如何にあるべきかと照らし合わせて、政治を見ていただければと思います。

 今、自民党はyoutubeなども活用し、議員や次期選挙に立候補する予定の方を出演させ、
 政策や理念などを語らせたりしています。
 
 民主党は「ガラス張りの政治を」などとも言い、政権奪取に成功したわけですが、
 いざ政権についてみたらその民主党そのものが大きな壁に覆われた囲いの中に隠れて
 政治を行い、言行不一致なだけでなく、国民にとって有益な政治すらも行えないようにな
 っています。

 そんな民主党に比べたら森喜朗氏、福田康夫氏、中川秀直氏など旧来型の政治家が
 引退を明言する中、安倍晋三や麻生太郎氏をはじめとする実績のある政治家がおり、
 且つ平将明氏や宇都隆史氏など新しい自民党を背負うであろう実行力のある若い議員
 もいる自民党の方がよっぽど信頼できます。

 自民党が100%クリーンで、間違わない政党であるなどとは言いません。
 政党を育てるのは我々国民です。
 この頁で過去何度も書きましたが、
 「その国の政治家を見ればその国の民度がおおよそ分かる」
 言い換えれば、
 「自分自身や我々国民のレベル以上の政治家など存在し得ない」
 
 政治家に100%のスーパーマンを要求してもダメなんです。
 自分自身や自分よりも少しできる人間が政治家を志し、政治を行う。
 
 であるのならば、我々自身が今よりも成長し、政治家を育てるしかないでしょう。
 もちろん我々にも日々の仕事があるのですから、毎日政治家を監視し、注文をつける
 わけにもまいりません。
 しかし、折にふれ注意しておかなければ、政治かも人間ですから堕落もします。
 誘惑に負けて汚職に手を染めたり、売国勢力に取り込まれてしまうこともあります。
 
 やはり我々が注視し続ける他ありません。
 毎日僅かな時間でも彼らの活動に注目する時間を設けてみるのも良いかもしれません。

 話が逸れましたが、安倍氏の唱える「戦後レジームからの脱却」について5回にわたって
 書いてみました。
 色々資料を見ながら書いたので、ひっくり返るほど間違えたことを書いているとは思いませんが、
 それでも間違えているところもあるかもしれません。
 素人が書いているものなので、文体としてもおかしなところもあるかもしれませんが、
 その辺りは文章から僕の書きたいことを汲み取っていただければと思います。
 僕のブログはコメントはどなたでも書いていただけます。
 ここはおかしい、これは間違えているなどあれば、ご指摘いただければ幸いです。
 よっぽどおかしなことさえ書かれなければ真摯に受け止めたいと思っています。

 というわけで、民主党政権が閣僚の失態追及と解散圧力逃れのために、
 臨時国会を開かないという暴挙を続けている真っ最中ですが、
 いつ解散しようが民主党や民主党を主体とした政権が再び訪れることは無いと思います。
 大方の予想通り自民党もしくは自民党を中心とした政権が次期衆院選後には誕生する
 ものと思います。
 そして、そうなれば内閣総理大臣は安倍晋三氏になることはほぼ間違いありません。
 安倍氏は再チャレンジも以前より政策の中に織り込んでいました。
 まさか自分自身の再チャレンジがこんなにも早くこんな形で訪れるとはご本人もほんの少し
 前には思ってもおられなかったと思いますが、
 混迷を続ける日本の政治・経済・国民生活が安倍晋三にSOSを発したんだろうと思います。

 劇的に変わりはしません。
 しかし、変革の胎動を確認しながら来るべき安倍政権での政治の安定と、
 国民本位の政治を期待したいと思います。

2 commenti:

Anonimo ha detto...

日本国憲法を“憲法として無効”と認定するのと同時に、日本国憲法下の戦後法律体系を“有効”と認定する、南出説なるものが存在します。

大日本帝国憲法現存論・占領憲法無効宣言実施手順/南出喜久治
http://www.youtube.com/watch?v=VDlB3wVFXWE&list=PLCDAAF5D9DB60B77B

ひであき ha detto...

>匿名様、ありがとうございます。

そんな方法も考えられるんですね。
目うろこです。
動画のご紹介ありがとうございます。
早速観ようと思ったら2時間ですか!
とても興味のある内容なので、
しっかり時間をとって勉強させていただきます。