07 maggio, 2012

親方日の丸のようなもの

一昨日、父方祖父母宅へ行って来ました。
昨年暮れから祖父の体調が悪く、
入退院を繰り返しており、
冬の間は僕たちも外からのウイルスを持ち込んでは
いけないということで、
祖父母宅から遠ざかっていました。

そして、暖かくなってきて、祖父の体調も落ち着いた
ということで、自宅療養中の祖父の顔を見に行って来ました。
さすがに祖父母共に90歳を超えています。
落ち着いてはいますが、劇的に良くなることは見込めません。

それでも、一緒にテレビで野球を観て、男子体操のオリンピック選考会
を観て、おだやかな時間を過ごしました。

さて、メディアでは関西圏で大飯原発の再稼動ができない場合には、
計画停電をしなければならないという報道が出ております。
当然、関電からの発表です。

枝野が発表したのですが、関電の電力需給資料を基に
検証したのですから、関電が発表したようなものです。
むしろ、政府に言わせるあたり、本当に不愉快な連中です。
自分達の立ち位置を良く理解している。

こうすることが効率的で、且つ効果的な、国民(関西圏に住む我々)
への形を変えた脅迫というわけです。

「原発を再稼動させないとお宅ら困りまっせ。」

というわけですね。

筆頭株主である大阪市が、全てのデータを公表しろと
要請しているのにもかかわらずそれを拒否して、
あげくこの様な脅迫、脅しとも取れるような発表です。
僕自身、昨年の東日本大震災まではここまでの節電意識などもったことが無かったので、
いよいよかというところです。

―できる範囲での、常識的な節電は、電気代を安くするためにはやっていました。

関電のこのような居丈高な態度は、利用者を怒らせるのに十分なのですが、
我々はただ怒っているだけではダメでしょう。

はっきり言って、電力会社の言うことなど信用できないんだから、
まずは年間を通して我々がどれくらいの電力を消費しているのかの客観的な
データを出させること、その為に外部の人間を入らせて、調べさせること。
*関電は民間企業ですが、
 電力会社の公共性(広く国民、私企業、官公庁が電力を使用していること)
 と、原発事故の重大性を鑑みても、これは外せないと思います。
これをやって、本当に計画停電が必要なのかを利害関係の無い人選によって
選ばれた委員などで検証して欲しいです。
当然関電には全面的に協力させること。

今思えば、ガスや電気などそもそも現代人が生活するうえで欠かせない基本的な
ツールを民間企業にやりたい放題やらせたことは拙かったと思います。
国ががんじがらめにすることも良くないとは思いますが、
締めるところは締めるべきでしょう。
少なくとも今回のように事故の可能性や基本的な電力使用に関わる部分について
だけでも国が強く影響力を行使できるようにすべきでしょう。

で、今回のエントリなんですが、

祖父は肺気腫で、今現在酸素吸入器を使って生活しています。
ベッドからトイレまでものの10歩で行けるのですが、
その間吸入器を外して行って用を足して帰ってくるだけで、
肩で息をして、とても辛そうな様子です。

そんな祖父が利用している酸素吸入器の動力源は電力なんです。

祖父は脚の力も衰えて、今では外出することもありません。
自宅に居て、24時間酸素吸入器を使って生活をしています。

そこで、今回の計画停電の話がにわかに、といってもその可能性は以前より
指摘されてきましたが、いよいよ関電が公式にこのまま行けば計画停電を
せざるを得ないと発表したわけです。

僕自身は、例えば日中の12時から18時の間は自宅におりません。
冷蔵庫の中のモノは痛みますが、それだけのことです。
計画的にやり繰りするしかないでしょう。

仕事は、確かに困りますが、
仕事相手とのコンセンサスは簡単です。
お互いに計画停電のことは良く理解できて、やむをえないことで済みますから。

しかし、24時間稼動する工場は困るでしょうね。
ラインを止めたら何千億円の損害が出るとかニュースでも見ますしね。
しかし、誰の命も脅かされることはありません。
もしかしたら、経営の厳しい会社の社長さんが
借金で首を吊らなければならないかもしれませんが・・・。

医療関係者は、というか入院患者さんは困るでしょうね。
中規模以上の病院であれば、自家発電でなんとか凌げるでしょうが、
自家発電設備の無い病院の入院患者は、それこそ生死を分ける問題です。

で、ウチの祖父なんですが、自宅で命を繋ぐ装置を電力によって動かしている
んですが、それでもやっぱり止まるわけですよね。

現時点で入院する必要は無いんです、90歳を超えた老人ですが。
計画停電になれば、絶対に代替装置が必要になります。

入院すると言ったって、ウチの祖父のような方は関西圏内でも大勢いらっしゃると
思うので、そういった方を置いてくれる病院が必要なだけあるとは思えません。

そうなると、テメーで何とかせいとなるわけですね。
誰も安心させてくれないでしょ。

というわけで、基本的に僕は段階的に原発を減らしていって、
最終的に全廃といったそもそもの僕の考え方を改めてそうせざるを得ないと
思っています。
ただし、日本だけが原発全廃しても支那・朝鮮が原発エネルギーに依存している
ようでは意味が無いので、そちらへの働きかけももちろん重要。

もちろん、関電の需給データが全くのデタラメで、
電力は原子力抜きでも足りているというのであれば、改めて欲しいです。
しかし、火力に依存しすぎることも良くないとも思っています。

現在の状況では大飯原発再稼動には反対です。
たった二日でつくった安全基準など信じられるわけでもないし、
あの地域に今まで確認されなかった活断層が発見されたというニュースもありました。
そして何より枝野に発表させた計画停電が、
我々が信用できない電力需給データに基づいて算定された
結果によるものであることなど、

要するに関電のあの偉そうな態度から始まって、
あいつ等の今回の一連の大飯原発3号機・4号機再稼働問題への
対応全てが気に入らないから、反対と言ってもいいくらいの反対です。

ただし、我々が反対を押し通した結果、計画停電が原因で発生した問題の全ては、
我々で責任を取らなければならないでしょう。
特に僕は(まぁ匿名ながら)こうしてはっきりと現時点での反対を表明しているので、
計画停電が原因で祖父に万が一何かあっても、関電に文句は言えなくなります。

技術の発達によって、電気事業インフラの発達によって祖父は、
今命を永らえさせて貰っていますが、
その電力が本当に祖父の命を左右するものとなっていることには、
世の中の事象の因果を感じてしまいます。

関電が腹を全て割ってデータを出してくれるのならば、
止むを得ずと受け入れますが、今のような姿勢では、
到底納得することはできません。

とりあえず、関電にはウチの祖父のような事例ではどうすべきか、
ということをその偉そうな態度への抗議と共に聞きたいと思います。

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