16 febbraio, 2010

JAM



ベルギーの列車事故、
18人の方々が亡くなられたそうです。
驚いたと共に、真っ先に現地に住む友人の身を案じた。

僕がこのニュースを知った夜のニュースでは早速、
「現地日本大使館の情報によると
 日本人が事故に巻き込まれたとの情報は入っていない。」
とのことです。

この手の海外の大規模事故ニュースを見る度に、
頭の中をグルグル回る歌があります。

THE YELLOW MONKEY / JAM(吉井和哉 作詞作曲)

~外国で飛行機が墜ちました
ニュースキャスターは嬉しそうに
「乗客に日本人はいませんでした。」
「いませんでした。」
「いませんでした。」~

というくだりです。
イエローモンキーというバンドの名前も
何も知らずにこのネーミングを見れば、
なんとも自虐的で更にこの歌詞ですから、
この人ら・・・
と当時の僕(高校生くらい)は思いました。

吉井氏はこのくだりよりも
本当に伝えたいメッセージはその後の
「こんな夜は逢いたくて」以降の方が大切である
と言った趣旨のことを語っており、
既にこの歌詞についてなど議論しつくされていると思うのですが、
それでも僕の中では事故がおこればこのくだりがよみがえります。

「現地日本大使館の情報によると
 日本人が事故に巻き込まれたとの情報は入っていない。」
という情報が流れた時、
とにかく僕は「あ~、良かった。」と思いました。
その時に亡くなられた方やケガをされた方のことを
思ったかと言われれば、
「思わなかった。」
日本人が巻き込まれていなかったことが分かった後に、
「気のどくやなぁ。」くらいは思ったかもしれません。

JAMはこんな僕のような人間に対する
あからさまな“批判メッセージ歌”だと思うのですが、
画面に向かってお悔やみ申し上げますとも思わない僕の
心根を抉って世の中の批判に曝し上げるのです。
こいつはこんなにひどいヤツだと。

自分はというと僕は他の被害者のことが心配でなりませんとの
ポーズを取って善人ぶっている。

じゃあ、お前はどんだけ聖人君子やねんと
反発してしまいます。

お前は世界中の飢餓に苦しむ人々も、
圧政に抑圧されている人々も
全ての人を開放できるのか?と

吉井和哉氏が例えば飛行機事故で亡くなった方々の
遺児達に毎年寄付をしています。
とか、
ケガで後遺症に苦しむ人たちに例えば車椅子を送った
とかいう話は聞きません。
こんなことは表だってやることではないですが、
漏れ聞こえる話すら皆無です。

要するにこういうことなんだと僕は思っています。
そこまで相手を慮るということは、
その人の今から未来の時間にまで
思い、行動に移すことこそです。

僕が命をかけて幸せにしたいとか、守りたいと
思うのは奥さん、母親、兄弟など家族で、
できる範囲でなんとか力になりたいと思うのが、
親戚や友人、
なんとなく気が合いやすいのが関西人、
感覚を共有できるのが日本人、

結構分かると思うのが、
歴史ある国の国籍を持つ方々、
経験上ヨーロッパ方面に多いと思います。

アフリカ人とは話をしたことも無いので分かりません。
南米の方々も同じく。
北米人は理解できないことが多いです。

完全に独断偏見によるものですが、
多くの人はこんな感じなんじゃないですか?
なんだかんだ言ってもやはり家族までです。
最大で公共性を共有できる日本人までです。

要するに、日本人であれば日本を常に意識することが
当たり前で、ブリュッセルの電車事故の件で言えば、
日本で報道するんだから基本的に日本人に向けての放送なので、
「あなたの家族や日本人の友人が巻き込まれているという情報は
入っておりません。」
と伝えるのは日本のメディアなんだから極当たり前のことだと思うのです。
ベルギー人の友人がいてその消息が気になるのであれば、
安否確認の方法などはいくらでもあると思います。
気になる人は当然そこまでするだろうと思います。
ただ、日本のメディアが日本国内で放送するのに、
そこまでの必要は無いだけのことです。

JAMはそれはおかしいんじゃないの?
と言っているように僕には聞こえるんです。
「こんな夜は逢いたくて」以降の方が大切といっても
その前の“この歌詞”のメッセージ力が強すぎるものだから、
当時も議論の対象になったんだろうと思います。

たかが歌ですが、されど歌。
この歌が多くの人の心を動かしたことは事実ですから、
みんなそんなこと思ってるんかなと思ったらちょっと心配です。

日本で日本人の安否だけを報道することが正しいのか正しくないのか、
アンケートとってほしいくらいです。
僕は、正しいと思うのですが・・・

だって、こんなこと言い出したら海外の津波とか地震とかでも、
当然日本人が被害に遭うこともあると思いますが、
20万人が亡くなられたとかいいますが、この方々全てについて、
例えばお名前とか放送するわけですか?

阪神・淡路大震災では死者名については死亡が確認された方については
全て放送していました。
外国人の日本在住者の方についても放送していたと思います。
ご覧になられた方も多いと思います。
これはやはり、
日本においては大事な情報だったから
6千余人のお名前を放送したのだと思います。

ですから、僕はJAMという歌のこの部分は間違えていると思います。
何が大事かを分かっていないのは吉井氏だと思います。
5分程度の歌に綴られる歌詞は全て作者にとって大切なものだと
受けては感じます。
彼はプロで作品を世に出してそれで金を稼いでいるだから、
その作品に対して責任があります。
僕はこれについて、もっと知りたいです。
彼が何を思ってこの詞をつくったのか。

この電車に知人が乗っていなくて本当に良かった。
僕にとって「日本人はいませんでした。」
は正に朗報でした。
亡くなられた方々、ケガをされた方々には誠に申し訳ないと思うが、
間違いなく朗報でした。

*トップ写真はベルギーの美しい街並み

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