09 febbraio, 2010

なんともな話


うんうんと思いながら観ていました。
一昨日の「たかじんのそこまで言って委員会」です。
大阪学院大学教授の國定浩一氏と株式会社シナガワの品川隆幸社長です。
昨今の不況の煽りを受け、悲鳴を上げている中小零細企業について、
「しんどいなら辞めなはれ」
「嫌ならやめなはれ」
「まだまだ仕事はある」
と仰います。
それに対して國定浩一氏は
「やめたくてもやめられへんのや」
と仰います。
やめようにも借金がかさんで首が回らん社長さん達が多い。
更に今の状況をつくったのは他の誰でもない
小泉・竹中だと仰います。

品川社長はそれこそ血尿がでるほど頑張って
今の会社を立て直したそうです。
今現在は不況では無い、これが普通だと仰います。

僕はこれを観ながら思いました。
まず、今の自分は衣食住足りているから毎日の生活には満足しています。
しかし、多くの中小零細企業の社長さん達は日々の資金繰りに苦労されている
ようです。それこそ首を吊る寸前のところまできている人もいるかもしれません。

なんとかしなければならないことには違いないのですが、
品川社長は血のションベン出してでも頑張れ、
それができなければ辞めて次の方法を考えなさいと仰います。
一方この大不況の要因のひとつとして小泉・竹中構造改革がある。
と國定浩一氏は仰います。

國定浩一氏は品川社長の仰ることは勝ち組の論理だと。
世の中の全ての社長がゴリゴリ押して、ガツガツ前に出て、
上手く儲ける社長ばかりじゃないんだと。
いわゆる職人気質の社長、ものづくりの才能はあるけれど、
儲ける才能は無い社長、まぁ押しの弱い社長、
など色んな人がいる。
品川社長の言うように出来る人は良いよ。
しかし、そうできない人が大半なのに辞めて直ぐに次に行けと言われても
そう簡単にできますかいな、と。

うんうんとうなずきながら聞いていました。
やらんとしゃあないんです。
ですが、我々庶民は上がこうやと決めたらそれに合わすために
血のションベンまで出さんと“生きていけないのか?”

朝8時から夕方5時まで一生懸命に
仕事をしただけでは生きていけないのか?

日本のものづくりは世界一なのに首を吊らないといけないのか?

國定浩一氏は完全に小泉・竹中構造改革の失政が多くの要因を
占めていると断じています。

僕もそう思います。
全ての社長が品川社長のような人間ではない。
全ての人が真面目に働けば普通に生きていけるような社会がやはり
素晴らしい社会だと思います。

普通に生きるの普通とは何か?

と問われましても回答に困るわけですが、
漫画美味しんぼから下記のことばを借りることで回答とします。

「いやぁ、立派になんてならなくていい。
食べたい時にとんかつが食べられるくらいがちょうどいい。」

昨日、某大手企業の営業マンと食事をする機会があったのですが、
「毎日時間に追われています。」
「No残業Dayもあって19時には電気が一斉に消えるんですが、
 みんなスポットの蛍光灯付けて仕事してますよ。
 No残業Dayなんて表向きだけです。」
とおっしゃっていました。

我々の意向に関わらず、経済のグローバル化は周知の通り止まることなく、
価格競争にも巻き込まれ、我々は無理をせざるを得なくなっているんですが、
そこを上手く舵取りしてくれるのが政治じゃないのかと、
竹中は自由競争をより先鋭化させ、勝ち組にはより儲けさせ、負け組みには
どんどん首を吊らせたと。

こんなのは豊かな社会では無いと思います。
國定浩一氏は恐らくいわゆる勝ち組の部類の方だとお見受けしますが、
こういった方々に仰っていただかなければ、庶民は浮かばれません。
なんとも難しい話ですが、國定浩一氏の仰りたいことが良く分かる話でした。
もちろん品川社長もバイタリティーのある素晴らしい方だろうと思います。


*トップの写真はパリの僕たちが泊まったホテルを
 バンドーム広場側からチュイルリー公園方面へ向かって撮った写真

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