17 dicembre, 2009

GOOD-BYE HERO

我々には平等に時間を与えられてはいません。
0時にその一生を終える人もいれば、
23時までそのロウソクに炎を灯し続ける人もいるでしょう。

我々は毎日生と死の、正に紙一重の中で生きています。

実は明日をも知れぬ人生なんです。
あなたは昨日を一生懸命生きましたか?
今日はどうですか?
明日はできそうですか?

僅か40年余を全力疾走で駆け抜けた人がいました。
もちろん自転車で。
僕はその素敵だったであろう40余年のほんの数年のお付き合いでした。

しかし、時間ではないんですよ。
その内容が全てです。

僕はその方にお会いした時には既に自転車には乗っていました。
しかし、持て余していました。

そんな僕に
「一緒に走りましょう!」
と声をかけてくれたのがその方でした。

なんと僕はツール・ド・フランスで200人からのプロトンが
集団走行しているのを毎度観ているくせに、
“他人と一緒に走ること”をそれまで一度もしていなかったのです。

その「一緒に走りましょう!」は、
僕のこれまでの自転車に対する接し方を根底から変えてしまいました。
誰かと一緒に走ることの楽しさ、喜びを教えてくれました。
集団走行が楽しいからひとりで走る時も楽しくなる。
時間があれば自転車に乗りたくなりました。
夏場はこっそり自転車通勤もしました。

今までともすれば部屋のインテリアと“成り下がっていた”
我が“愛車”をスポーツバイシクル本来の
“あるべき姿”に変えてくれたのです。

よそのお客さんだった僕に自転車の(単純ではあるが)
本当の楽しさを教えてくれたのがその方でした。

まだまだお若かったですから、やり残したことがたくさんあったと思います。
本当に無念だったと思います。
しかし、素晴らしい仕事も遺されました。
その方の意志を告いでくれる人たちを育てていらっしゃいました。
きっとその方々が、
まだ見ぬ多くのサイクリストに
「一緒に走りましょう!」
と声をかけていかれるんだと思います。

我々には平等に時間を与えられてはいません。
しかし、その不平等で限られた時間をどのように使うかは
生きる僕たち次第です。

自転車の楽しさを教えてくれてありがとう
そのさわやかな笑顔忘れませんよ。
カッコいいダンシングも忘れません。

「スポーツカーはやっぱり黄色でしょ~(笑)」
と言って全身黄色のアソスでかっこ良く決めて
颯爽と愛車で走り出す後ろ姿も忘れません。

ありがとう

僕もいつまでも自転車に乗り続けますよ。

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