BSフジで21時から映画「南極物語」をやっていました。
1983年の作品ということで当時僕は8歳、今31歳
今観てどのように感じるか興味があり、観ました。
当時かなり話題の映画で文部省も特選ということで、
興味を持って観ました。
今も当時買った冊子が残っています。
印象に残る映画だったのです。
何しろガキでしたから、
犬たちの可愛さ、犬を残して帰っていった
大人たちへの怒りがベースとなって観ていました。
しかし、現在その大人となった僕が観る視点は
当時とは全く異なり、その大人目線で終始
物語を追っていました。
高倉健、渡瀬恒彦の苦悩、葛藤が痛いほど良く分かる。
そんな観かたでした。
映画のシーンで稚内で難局で殉死した犬たちを称えて
銅像を建て除幕式があり、その場に高倉健が
観客に混じりひっそりと見ている、その場に居た
外国人記者が高倉健にマイクを向けられ、非難される
のですが、その時の高倉健の言葉
「いっそこの手で楽にしてやればよかった。」
「殺してやればよかった・・・。」
あ~分かる、分かるよその気持ち・・・。
犬たちへの深い愛情が感じられる言葉です。
犬たちは酷寒の南極で必死に生き延びようとし、
結局取り残された15匹の内13匹がクラックやクレバスに
落ちたり、寒さにより死ぬのですが、
南極がふるさとのタロとジロが生き残り、
再び南極に訪れた高倉健と渡瀬恒彦と再会するのですが、
不覚にもこのシーンでうるっときてしまいました。
この作品はハリウッドでリメイクされたのですが、
ディズニー製作ということで
犬たちが死ぬシーンは無いそうです。
それってどうなんだろう?と思います。
この作品は実話を基に製作されているのですが、
犬たちを殺したいわけではありませんが、
それがなければ敢えてリメイクする意味のある
作品ではないと思います。
この作品は高倉健のせりふにもありますが、
日本人の死生観が描かれていると思います。
そして、13匹が精一杯生き延びようとした結果
無念の死を遂げるという描写があるからこそ
生き延びたタロとジロの生が際立つという
面があると思います。
そこにはあらゆる生き物の生への執着と
死のあまりにものあっけなさと
そのはかなさ
そして生の輝きがあると思います。
それは死んだ犬たちは無駄死にではなく、
人間のエゴではあるものの
第一次南極越冬隊の一員として
歴史の一部となった、
そして精一杯生きることを体言した
そこにメッセージがある
それを無視してはこの映画は成り立たない
と思います。
映画は映画、事実はこんなに“キレイ”な
ものではなかったかもしれない
余りにも重いテーマでディズニーでは
扱えなかったのでしょうか?
それだけにオリジナルの
「南極物語」
の素晴らしさは際立ち、
今でもその輝きは
人々を魅了し続けていると思います。
ニートや自殺志願者は
一度観ることをおすすめしたいです
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