01 giugno, 2006

男はつらいよ:レーサー達の友情

サイクルロードレースは映画「男はつらいよ」シリーズの世界みたいだと思う。
200キロの行程を200人程の選手が走るわけですが、
ドラマがいろいろあるわけですよね。
先日のジロ・デ・イタリアの第19ステージ
ポルデノーネ~パッソ・デ・サン・ペッレグリーノ 224.0km(山岳)
のレースでのこと
レースリーダーはチームCSCのイヴァン・バッソです。
途中、クイックステップのガラーテという選手とリーダーを抱える
チームCSCのフォイクトという選手が抜け出して、
二人でゴールを目指すという展開になりました。

ここで、押さえていただきたいのが、
自転車レースでは集団で走る場合は、先頭の選手が風圧を受け、
体力の消耗が激しいということ。
1チーム9名でエースの選手がひとりいて、
他の8名でエースを勝たすレースをすること。
そして、チームCSCは総合リーダーを抱えていて、
ガラーテという選手が、このステージで、
後続のリーダーに大差をつけて勝利すると、
総合リーダーが入れ替わる可能性があるということです。

この状況では、ガラーテはステージ優勝を狙っており、
フォイクトはそれと総合タイムが縮まることを懸念して
(もちろん自身の優勝も狙って)、ガラーテを抑えるために続いたとなります。

本来、数名で集団から抜け出した場合は、その数名で先頭交代をしながら、
個々の負担を全員で分け合いながらゴールを目指すんですね。
でも、この状況では、フォイクトは先頭に出るという理由付けがありません。
ガラーテを抑えるために付いていったわけだから。

以上により、ガラーテがずっと先頭を引き後ろにフォイクトが付く
(時々先頭にでる)というシーンが続きました。
いよいよ、ゴール数百メートルといったところで、フォイクトが、ギアを掛けました。
ギアを重くして、ゴールスプリントに備えた(かに見えた)んです。

その瞬間、僕は、「フォイクト勝ったな。」と思いましたし、
テレビの実況者、解説者も、たの視聴者の方も思ったんじゃないでしょうか。

しかし、思わぬ映像が目に飛び込んできました。
そのフォイクトが、隣にいたガラーテの背中を”ぽんぽん”と叩き、
ガラーテを前に行かしたのです。
ガラーテはそのままスパートを掛けてそのステージを取ったのでした。
要するに、フォイクトはガラーテに勝利を譲ったのです。

こういうのを見ると、手を抜いて相手に勝利を譲るのは相手に対して失礼だ。
例えば、相手が怪我をしているならそこを攻めないのではなくそこを攻めてでも
勝利を掴みにいくのが、相手に対する礼儀だといった批判が聞こえてきそうです。

このケースがそれらに当てはまるかどうかは分かりませんが、
総合優勝、ステージ優勝の両方のバランスというのもあろうかと僕は思っています。

このステージでは、後半は終始ガラーテが先頭を引くという状況だった。
フォイクトは後で体力を温存していた。
ガラーテの総合タイムが上ることをCSCはある程度阻止できた。

これらより、このステージを取るのはガラーテがふさわしい。
勝利するにあうだけのレースをした。
として、フォイクトはガラーテに勝利を譲ったのでしょう。
これは、ガラーテに失礼とかそんな問題ではないと思う。
ガラーテは勝者たるレースをしたんだから。

ガラーテももちろん、ゴールする前にフォイクトに感謝の意を表していた。
これも、かっこいいわ。
チームを超えた友情もあるのかなぁ~

僕は、この瞬間を観ててなぜか・・・なぜか、寅さんの声で
「あんた、このひたー(人は)これだけ、頑張ったんだからおゆずん(お譲り)なさいよ。」
ってのが聞こえてきた。なぜかは、僕にも分かりません。

サイクルロードレースは義理と人情たっぷりのスポーツです。
やっぱ、日本人に人気でそうなスポーツだと思うわ

5 commenti:

Anonimo ha detto...

ほんと、自転車お好きなんですね!!
男はつらいよと重ね合わせる所に愛を感じます(笑)
いつかツール・ド・フランス、一緒に見に行きましょう!!

ところで、私のBlogにLinkさせて頂きたいのですが宜しいですか?

ひであき ha detto...

だいさん、コメントありがとうございます。

だいさんの大好きなベルギーにはコアな
自転車ファンが多いです。
ベルギーが生んだ若きスプリンター
トム・ボーネンという選手を覚えててください。
現地で彼の名前を出せば、ベルギーっ子達
とあっという間にオトモダチです(笑
ツール、是非観戦に行きたいですね!

リンクの件、こちらこそ相互でお願いします。

Anonimo ha detto...

しかし奥が深いね。
ツールってチームプレーだったんだね。
何も知らないもので。
知らず知らず引きこまれって行ってます。

それと(ここでごめんよぉ)だいさんのところにも行ってきましたが、かっこいいです!
Bloggerってほんとうに渋いですわ。

ひであき ha detto...

>中西 ツヨシさん
自転車は自己犠牲と友情とエゴの
スポーツですね。
毎回感動ですわ。

だいさん、新進気鋭の若手芸術家さんです。
既に僕をモデルに一枚描いて
いただいています。
近々第2弾を予定しておりまして。
今から楽しみにしているんです。
中西 ツヨシさんも一枚いかがですか?
もちろんプロが描くのですから
お代をお支払いするのですが、
これは一生の宝です。

Anonimo ha detto...

『Allez !! Avec Moi !!』でしょ!?
そうじゃないかとおもってん。
見た瞬間にわかったで!
ひであき氏独特の日本人離れした体型が良く出ておりました。
さすが、だい画伯!すばらしい観察力!?
でも個人的にはHPのTOPの『(仮)蛙にメンチ(!?)』←タイトルがなかったので。
がお気にです。爬虫類好きとしてはね。
って蛙は両生類やね・・・

私もぜひ書いていただきたい!!
いずれは店に飾りたいし。
ちなみに、だいさんって某『き○ゅう』に一緒にいらした方ですよね!

店を開けるまでに一枚創って欲しいです。
ぜひアポ取って~☆